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十三参りに着用する様な愛らしい振袖を仕立てました。

【十三参りに着用する様な愛らしい振袖を仕立てました。】

成人式のお祝いの振り袖姿には、様々な思いが込められている様に思います。

知的で、魅力的で、素敵な女性に成長した娘を誇らしげに思う親御さん。

ここまで育ててくれた両親に感謝の気持ちで、いっぱいの娘さん。

娘の振り袖姿は、感慨深いものがあります。美しさ、個々に独り占めですね。

今回、仕立てをした振袖は、光沢、煌めく綸子地の生地に甘い桃色の地色染め、個性的な色調になります。

生地に描かれている柄ゆきは、梅文様がメインで竹文様をさり気なく配した、絵羽柄絵羽が文様です。

大きな梅の花弁の中には、桜・橘・菊・楓・撫子色の吉祥文様が溢れんばかりに飾られています。

振袖は、いつの世も乙女の憧れ、古典柄の振袖から、ドレス感覚のモダン柄の振袖まで、バラエティー豊かです。

今回の振袖は、優しく、愛らしさの主張が感じられる振袖です。

仕立てについてですが、

絵羽柄文様の振袖、後身頃、脇、前身頃、衽、全ての柄(小さな小花まで)を

キッチリと合わせて、縫い上げています。

上前の衿先と衽も、上手に柄合わせが出来ました。

その上、袖裏の振り側にも、表地と同じような雰囲気の布(振り布)を縫い付けています。

所作により、その振り布が見え隠れして、高級感、豪華さを感じさせています。

ご希望の寸法になる様にすべての柄を合わせるのは、なかなか難しい事です。

もちろん、美しく、綺麗に縫い上げるには、技術と経験が必要です。

そして、もうひとつ着付けがしやすいように衿下の長さを決めています。

からだに沿うように胸元が広くならない様に調整しています。

袖の長さも身長に合わせて、丁度良いバランスの丈に仕上げています。

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重陽の節句 大輪の菊を仕立てました。

【重陽の節句 大輪の菊を仕立てました。】

秋に香る菊の花 秋の訪れが感じられる様になると季節を代表する名花、菊文様の着物に心引かれます。

菊は、薬の力を持つ花と言われ、日本には奈良時代から平安時代にかけて、中国より渡来しました。

菊の姿、色、香りが優れているので、絵画、工芸品の模様に取り入れられています。

陰暦、九月九日の重陽の節句には、菊の露と香りを移した菊のきせ綿で体をぬぐって

延命長寿を願う行事があります。

秋の花の代表ですが、文様では古典文様の吉祥文様として広く好まれ、

着物の柄にも、季節を問わず多用されています。

今回の菊の着物は、『美しい』、だけの言葉では言いあらわせないぐらいの大輪の菊。

隠れ地に菊水文様をあしらい。黄色味ある茶色。榛色(ハリイロ)と白色のコントラストの印象の場が強い、

手描き加賀友禅染めの総模様の訪問着です。

菊のデッサンを基に描かれた菊模様は、重厚な大輪の菊の花とは対照的な、脆さ(モロサ)を感じる細長い茎

互いのバランスが不安定な美を表現して、見る人に不思議な印象を持たせます。 

今回の仕立てについてですが、

気を付けたところは、少し身巾の広い方でしたので、色と柄合わせに注意しました。

ハッキリとした、大胆な柄と反対色のため、柄がズレると目立ってしまうので

出来るだけ 柄ズレを最小限に仕立てました。


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大島紬で着物と羽織を仕立てました。

【大島紬で着物と羽織を仕立てました。】

着物本来の扱われ方は普段着です。

大島アンサンブルを仕立てました。

大島紬の生地は、絹使いの織物ならではの精緻な絣(カスリ)、

光沢のある薄くて、軽い、しなやかな手触りが特徴です。

羽織は肩に軽く、着物は裾捌き(スソサバキ)の良い

上質な織り味を楽しめる普段着です。

これから、秋の時期。秋の落ち着いた彩りの街並みの中で、シックに映える着物です。

今回の着物の模様は、縞模様を場に、簪(カンザシ)に結び文(ムスビフミ)の器物文様が

赤色系の小豆色(アズキイロ)や、羊羹色(ヨウカンイロ)で表現されています。

縞模様とは、並行する線で構成される単純ながら、多様な変化を見せる文様です。

器物文様のカンザシに結び文は、書状を細くたたみ、ひとつ結びにした物を結び文といい、

平安時代には、恋文などに使われていました。それが文様化したものです。

仕立てについてですが、今回は、大島紬アンサンブルの仕立て直しの依頼でした。

洗い張り仕立て直しの場合、初めに寸法の確認をしてから、

仕立て上がり着物を解き、洗い張りをして仕立てします。

お客様の裄寸法が長く 裄が取れない為、布巾いっぱいで羽織の裄を決め 

着物を羽織の裄に合わせました。着用に支障はありませんが、裄が少し短くなりました。

裄がかなり短くなる場合は、袖巾足し布する事もあります。

但し、足し布をする場合は、共布が必要になります。

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小紋着物を絵羽風、道行コートに仕立てる。

【小紋着物を絵羽風の道行コートに仕立てました。】

着物や帯にばかりに関心が行きがちになり、コートのお洒落な方は、まだまだ少ない様に思えます。

今、お持ちのコートは色や柄も無難なものになっていませんでしょうか?

そんな方は、もし次にもコートをお仕立てなさるような時は、羽尺地に捉われず

素材選びにこだわり、デザインも気に掛けて頂きたいです。

着物地の小紋着物や付下げきもの、果てはお手持ちの仕立て上がり着物をコートや羽織に

されてはいかがでしょう。

きっと、コートを着ての外出が楽しくなると思います。

今回のコートは、モダンアートのような面白い柄ゆきの小紋着物地です。

和洋を取り入れた個性的なデザイン、絵羽風コートにするには、柄合わせに知恵がいります。

それを飽きの来ないオーソドックスな道行コートに仕立てました。

仕立てについてですが、

大きなインパクトのある柄ゆきの為、柄合わせとコート丈を工夫しました。

柄合わせは、柄をずらすとコート全体のバランスが悪くなるので

竪衿・背・袖・などの柄合わせを絵羽風に合わせました。

コート丈を長くロングにする昨今ですが、今回はそうすると柄が大きく重く感じるので、並み丈に仕立てました。

これで、清楚に可愛く上品な道行コートになりました。

道行衿コートを仕立て (3)

道行衿コートを仕立て (2)

道行衿コートを仕立て (4)


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祝儀の装い、色留袖を仕立てました。

【祝儀の装い。色留袖を仕立てました。】

人生の新たな門出を祝う結婚式、多種多様な受賞の式典や受賞を祝う宴、お茶会の初釜など

喜びに満ちた行事の日にお召し頂きたい着物です。

今回の着物の模様は、

いにしえの都での祇園祭の行事に興じる京の都の風景が繊細な筆致で描かれたひと巻きの絵巻物を思わせる絵模様です。

全体の柄行きは、細やかで雲取りを金糸とボカシ染めで表現することで

宴会場でスポットライトが当たっても派手やかさを抑えてくれます。

重厚感溢れる高級ちりめんを用い、金・銀・プラチナが織り込まれている金属糸と先端のボカシ染めの技を駆使することで

華麗で高級感の漂う、格式高い色留袖です。

今回の仕立てについてですが、

上前から下前衽(シタメエオクミ)まで、柄の流れが途切れる事なく細かい所まで一つの風景画になっています。

このように仕立てる(柄合わせのこと)のは、なかなか難しく、仕立ての技術が必要ですが綺麗に仕立てています。

着丈、裄丈、袖丈、身巾など、お客様のご希望寸法に仕立てることは言うまでもありません。

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